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「こ、これ以上はダメッ」
とっさにぼくはその手をつねって彼の悪戯をたしなめた。
たしかにさっきは寝起きからずっとエッチしたけど、それはそれ。
けじめはつけるべきだし、パスタだってのびちゃう。
と、ぼくがあわてて服を直せば、泰征くんはおどけるように肩をすくめた。
「かわいくねぇ」
「い、いいよ、かわくなくたって」
「ん~~~~?拓海のくせに反抗すんのかぁ?」
「ぼくは男なんだから、かわいいもかわいくないもないでしょう!?」
「んなこと言うと、学費ださねーぞ。生活費もゼロ」
「じ、じゃあ、このパスタさげるからねっ、泰征くんはお昼抜きなんだからぁ」
まるで比較対象外だけど、ぼくはとっさの抵抗を試みる。
だって。
正直、今の生活はほとんど押しつけられたもの。
実家の家業が傾いた時、ぼくをレイプした泰征くんがお金のめんどうをみてやると半ば強制したから……たしかに大学には行きたいけど、反抗もしたくなる。
だいたい、こんなときにお金を持ちだすだなんてズルイッ。
というわけで、ぼくは本当にパスタをさげるべく、テーブルのプレートを持ち上げる。
すると、泰征くんは悪戯っぽく眉を上げ、そうしてから言った。
「メシ抜きは困るなぁ」
「じゃあ、ヘンなこと言ったりしたりしないでよ」
間髪入れず言い返せば、彼は「好きなくせに……」とつぶやきつつも降参したように手を上げ、ぼくはほっとひと安心。
でも。
本当に空腹なら、泰征くんは奪ってでも食べるひと。
そうしないのは、ぼくが真剣に困っているのだと、分かってくれたから……?
そして、きっと、こういうとこも、彼を嫌いになれない理由。
いっそ一二○%俺さまなら、ひとの意思を丸無視なら、心底嫌悪できたかもしれないのに。
そうでない泰征くんはぼくをふわふわ戸惑わせる。
何かせつない気分とともに、彼を嫌いに……なれない。
「じゃあ……お食事にしよ?」
と、ぼくはもやもやを振り払いながら、つとめて素っ気なく言った。
そのまま泰征くんの隣に腰を下ろせば、彼がカトラリーを引き寄せる。
シンプルな銀食器。彼の買ってくれたもの。趣味が悪くないから、いつも普通に使っている。
ここはそんなもので溢れていた。
ぼくの部屋なのに、泰征くんの趣味と、好きなものと、ぼくと彼とでつかういろいろなあれこれ。
……………恋人同士みたい。
そう思った途端、すごく気恥ずかしくなってきた。
頬がじわっ…と熱を持ち、見るまでもなく絶対赤くなっている。
そうしたら、泰征くんがぼくを不思議そうに覗き込み、すぐその顔を助平っぽいものにかえて言った。
「やっぱあのバイブ買おうぜ」
だからそれはいらないってば――――――――!!!!!
【短編エロエロ♡パラダイス ♯01 終】
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